ママ編。いつも一緒。
おばあちゃん。
杏子ちゃん、どうしたの?
わたし、ちっちゃい時に、泣いたら怒られたかなあ。
怒られたから泣いたんじゃなくて、泣いて怒られたこと?
ないと思うよ~。
そもそも怒ったこともないはず。
うん。そんな記憶全くないもん。
だけど、おとうさんがお仕事の都合で遊びに行けなくなった時とか、幼稚園とか小学校でイヤなことがあった時、中学、高校の部活で負けて泣いてた時、おばあちゃん、いつもぎゅってしてくれたよね~。
そうだったかしら。
あれ、嬉しかったなあ。おかあさんのぎゅっと、おばあちゃんのぎゅっ。揃ったら、もう、逆に何十倍も元気貰えた気がしたなあ。
ふ~ん。
ちょっとおしいちゃんから聞いたけど、おばあちゃん、ちょっと具合良くないんでしょ。
そうなの。抗がん剤が効かなくて。
こんなにつらい思いしてるのに、どうしてかなあ。
こわいよね。強いよね。不安になるよね。
わたしだったら、絶対に泣いちゃうと思う。
そう?
だから、おばあちゃんも泣いていいんだよ。
泣いても、誰も怒らないし、誰も笑わないし。
うん。
おばあちゃんの泣いてるところ、思いせないし、いつものんびりと前向きなおばあちゃんが泣くの想像できないぐらい大変だと思うけど。
でも、今、その想像できない大変な時だもんね。
・・・・・・・・・・・。
ほらっ。
ぎゅ~~~っっ。
不安になったら、いつでも抱きしめるね。
わたしだけじゃないよ。
彩代も菜奈もおとうさんも、そしてたーじぃも居るじゃない。
おばあちゃんは一人じゃないんだよ。
・・・・・・・・・・・・・・・。
おじいちゃんなんか、ハグ大好きだから、絶対いっぱいしてくれるよ。
ふふ。
だけど、おじいちゃん、汗くさいんだよね~~。
あらっっ。
今は毎日シャワー浴びてるはずなんだけどね~~。
間に合ってないのかな?
ふふふ。
そんな時もいつでも来てよ。
あっ。
やっぱりわたしから行くわっっ。
毎日、一度は必ずいって、ぎゅ~ってしていい?
うん。
みんなでおばあちゃんをぎゅ~ってしたら、絶対に病気も治るよ。
ちいさい時はこのあと、ケーキも食べたよね~~。